「人狼系」とソリッドシチュエーション

ソリッドシチュエーションを分解する

Saw film still

一口に「ソリッドシチュエーション」といっても、<人狼系>と<SAW系>とでは内実が異なるはずです。

まず大きな特徴について、

  • <人狼系>は多人数ソリッドシチュエーション
  • <SAW系>は少人数ソリッドシチュエーション

と言えます。

さらに踏み込んで考えるなら、何がソリッドなのか?という違いがあるのではないでしょうか。つまり solid situation とは和訳すれば<密室状態>限られた空間に中身が詰まっている・濃密な時空 であると捉えるならば、「その密室に何が充満しているのか?」というソリッドの質の違いがあると思うのです。

  • <人狼系>は猜疑心がソリッド
  • <SAW系>は立ち合いがソリッド

もちろん密室に充満しているのは、生命の危機にさらされた人物の「恐怖」なわけです。
しかし多人数であるか少人数であるかで、構造が大きく変わります。
<人狼系>は多人数ゆえに視線が複雑になり、人間関係が場をコントロールする大きなファクターになります。まさにアナログゲーム的な部分です。
<SAW系>は少人数ゆえに視線・人間関係は明確です。代わりに、肉体的かつスポーティな「立ち合い」に焦点が置かれやすい。

史上最悪の後味と言われる映画「ミスト」

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もうひとつ構造が異なるのは、<SAW系>では「いじめる悪者」と「いじめられる弱者」という関係がハッキリしているという点です。
<人狼系>でも、そのソリッドシチュエーションを創りだした黒幕のようなものは存在しますが、そこは焦点にならず、むしろ人間関係の凄惨さというところが「ジャンルとして新しい」わけです。

<SAW系>はその点古典的で、映画で言えば1955年の「狩人の夜あたりから何度も繰り返されている「追ってくる悪者になんとか対抗しながら逃げる」パターンの話です。このパターンの物語は、弱い者のほうに感情移入する仕組みが織り込まれているという特徴があります。

「狩人の夜」右手にLOVE、左手にHATEのタトゥーをもつロバート・ミッチャム

右手にLOVE、左手にHATEのタトゥーをもつロバート・ミッチャム

一方<人狼系>は感情移入しにくく、俯瞰的に状況を捉えたくなります。自分は人狼ゲームに参加せずに外から見ているだけなわけですから、まぁ当然ですよね。

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著者プロフィール

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サッカー大好き大阪人。テレビゲームに造詣が深く、国内のゲームハードとゲームソフトを収集している。
Xbox Live版「カタンの開拓者たち」をプレイしたことがきっかけで、アナログゲームにも興味津々。
シンプルなゲームが好き。覚えることが多いゲームは苦手。

株式会社コエカタマリン(池袋)の代表。ウェブサイト制作・システム開発・アプリ開発が専門。